田舎に暮らす 京の田舎ぐらし・ふるさとネット
【京の田舎ぐらし百人百相】

研究者から、実践者へ

鹿取悦子さん(南丹市美山町)


写真

鹿取悦子さん
夫(36)
2001年島根県より移住
市民農園勤務、自然学校主宰

学生時代に学んだ美山に

写真 “田舎暮らし”の達人。いや、その域を超え自然から命を頂き、共生する暮らしを営ん
でいる。しかも、都会育ち(東京都渋谷区出身)の女性で!。「でも、そんな計画とかがあったわけじゃない。なんとなく、流れで…(笑)」。風貌も含め、そんな“アンバランスさ”が彼女の魅力の一つだ。
 自然と動物好きな都会の普通の女の子が、京大農学部林学科に入学。芦生ゼミに入り調査の為、芦生の原生林を駆け巡り、美山の自然を守る人々に出会うことで、彼女の“眠れる野生”が、一気に目覚めたようだ。
 大学院時代も含め、自然と美山に根ざした濃密な6年を過ごした後、島根大学に採用される。ここでも、様々な人たちと出会い地域学や農業・狩猟等を学んでいく。しかし、学生時代にフィールドワークとしていた美山が忘れられず、安定した生活から再び“現場”へ。美山町の江和ランドに就職する。ここで、学生時代にお世話になった“師”の指導を受けながら、農作や狩猟、“山仕事の一切”等々、自然とともに暮らす「智慧」を体を張って吸収していく。「多分、人間と自然との関わりや関係性に興味があるんでしょう。そして、そこには“地域”があり、地域を盛り上げていこうとする“人の熱”がある。その“熱”が好きなのかな?」。なんとなく笑いながら話すが、彼女の実践している生活や能力・知識はこの国でも稀有な存在だろう。

自然の中で、想像力を養う

写真 「私は若い世代に、田舎暮らしをして欲しい。自然と共に暮らし自給することは、本来の生活の全てを学ぶことができる。山小屋ぐらいは、建てられないとダメだし…(笑)。もし、リタイヤしても貴重な財産になると思いますよ」。
 今後の彼女は「食育」に力を入れていきたいと言う。それも、道具を使うことや火を起こすことから始める“実践型の食育”。「それを、子供たちや親に伝えていきたい。自然の中で想像力を養う。そして、人間が本来持っている能力を発揮できるように!」。
 夫とともに自然と対峙し、この地に暮らしていくと決めたと言う。今後の彼女の活動が、とても楽しみだ。

(2007年5月掲載)

(箭野誠也 記)