[ No.1]
【平成の火種組】

タンスの奧で眠っていた創造力。
その値打ちに「瑞穂の女たち」は気がついた!
(2)

(京都塾アドバイザー 近藤雅雄)

〈ワイワイファッションフォーラム〉
瑞穂町45周年事業のひとつとして、瑞穂ふる里塾が主催。第1部は、東京ドームの屋根をつくった太陽工業株式会社会長の能村龍太郎氏と、テレビでもおなじみ服飾評論家の市田ひろみさんを交えてシンポジウム。第2部で、地元のひとたちが自らの手で古着や端切れをリサイクルし、モデルにも同じく地元の老若男女が舞台に立ったファッションショーをひらいた。これが大好評。塾生の、地元の人たちの気持ちを大きく飛躍させた。

ファッションショー
会場は熱気に包まれた
「ファッションショーでは、女性陣の底力をみせつけられたな」(オトコ塾生)
「ああいうことは確かに女性でないとね。私も出させてもらって、すごくよかった」(オンナ塾生)
「最初にチラシを配って呼びかけた時は、あんまり反応がなかったけど、話が進むたびにどんどん人が増えて、瑞穂はすごい! と思ったよ」(オトコ塾生)
「漠然としたことを、ここの集まりで決めたくらいでね」(オンナ塾生)
「はじめからきちんと決めて、きちんとしたってことないなぁ」(オトコ塾生)
 これは外からみても同じ。ショーの服飾指導をした中西光子さんも、会場での挨拶で言っていた。
「ふる里塾というのは不思議。毎回違う人が来ては好きなように話して帰る。どうなるのかと思ってはらはらしていたら、リハーサルでちゃんとできている。感心しました」
 このファッションショーは、この町に暮らす人たちみんなにとって、大きな画期となった。子供から爺ちゃん婆ちゃんまでモデルになって舞台を歩き、風呂敷や兵児帯のブラウスや野良着、絵羽や留袖のツーピース、さらには黒大豆のイヤリングまで、創意工夫の、まさに町民全員参加であった。
「場所もいるし、時間のやりくりもせんならん、家族はもちろん、地域全体、町全体の理解があって、はじめてできたことやね」
 これは、ぜひ多くの人に見ていただきたい。京都塾の事務局か、瑞穂町の役場に頼めば、上等といえない録画ではあるが、ビデオテープの貸出しが可能なはずだ。
 この準備の過程を詳しくみることができなかったのは残念だが、その様子は、ショーをみると、まざまざと浮かんでくる。
 少しずつみんなの間に関心の輪が広がり、こんなのもあるよ、と納戸の奧やタンスの底から古切れを引っ張りだしてくる。ああやこうやいいながら教えあって、1枚の服に仕立てていく。やっていると、どんどん楽しくなってくる。「自分の手」で参加することで、多くの人が、その面白さを知っただろう。

塾運動に参加する人たちが…地域への想いや要求を語り合い、いろいろなアイデアを気軽に出し合える場をつくる。それには、塾参加者同士の交流が深められるように持続的に会合を開くことと、「地域」の学習を深め参加者の発言が活かされるような運営をしていく。そのことが青年・女性・高齢者など塾に参加する人たちの「元気」と創造力を引きだしていく。
――『京都のふるさとづくり塾運動の方向と課題』塾運動推進の視点から

発言する女性
今度の取り組みにも女性の意見が
欠かせない
たとえば女性が夜の会合に参加する、というのは、まだまだ男性の理解や協力がなければできない場合が多い。つまり、そのうしろにいる家族数人の参加を得ているようなものである。女性の数が一人増えるのは、それだけ強力なのだ。
 この会合のあと、10月24日から1週間、近鉄百貨店地下で、この日のおかあちゃんたちをはじめ、たくさんの瑞穂レディースの声が響いた。
「女性の腕の見せ所やなあ、オトコはあらけたことしかでけんもんね(笑)」(オトコ塾生)
 潜在力にめざめたパワーのこれからが、いよいよ楽しみである。

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