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[ No.7]
パートナーシップとコミュニケーション![]()
西田 一雄 「自然との共生」、「農村との共生」、「共生と創造」等、最近やたらと「共生」の文字、言葉が使われています。何か手をとりあって仲良く、連携して努力するイメージがあり、利己的、自己中心的な風潮の強い現代社会において新しい協調概念の象徴のようになっています。 「共生」ということを生物学的にみれば、ヤドカリとイソギンチャクのように、別種の生物が相互に利益を得て共同生活を営む状態を表現しているということですが、我々人間の活動としてみた場合には、なかなか難しいようです。相互に利益を得るといっても、利害が競合することが多い上に、人間の感情として妬みや誤解、好き嫌いが生まれることから、なかなか「共生」が持続しません。したがって、人間の場合は損得抜きで考えないとどうも「共生」は成立しそうにはありません。 街づくりや地域整備においては、「共生」は連携やパートナーシップ、コミュニケーションとして理解をする方がより具体的にイメージできます。近年、「市民参加」が注目され、行政的な施策の展開や計画づくりに市民参加型の運営が顕著になってきました。国の建設行政の根幹であった川づくりにも河川法の改正によって地域との連携や市民参加が導入されることになり、住民の意志の反映が図れる制度的な整備も進んでいます。こうした制度的な前進は、異なる質のものを統一したり、融合して一つのものにする「共生」への有効な手段です。しかし、これら外的条件の整備とあわせて、共生する当事者の条件も整う必要があります。 自己主張の前に、まず相手の意見をよく聞いて理解をすること、そして相手の立場に立って、もし自分ならどうするかを考えて意見を述べることが、よきパートナーシップを築く上で大切だとつくづく思っています。 私は、2年ほど前から環境マネージメントシステム(ISO14000)を構築するお手伝いをするようになりました。環境ISOは、環境改善の目標を自主的に決め、チェックして、問題があれば見直しながら、環境の継続的改善を図ることを組織内のシステムづくりの目的としているものです。この環境ISOのシステムの中にコミュニケーションの確立が示されており、「共生」が定着する仕組みがあるように思っています。現在はまだ、企業、自治体といった単一組織内のシステムづくりですが、これが地域的な広がりをもち、農村地域内でもパートナーシップにもとづく、システムづくりが進めば、環境にやさしい地域とあわせて、人と人、都市と農村が本当に「共生」する地域形態が創造されるのではないかと期待をしています。
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