[ No.8]

手作りの良さ ふんだんに●大江――棚田保全と連携して

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「大鬼 酒米田」の幟がはためく下、会員たちの稲刈り

 「大鬼」の裏ラベルには、大江産地酒の心意気が示されているようです。「…千年の昔、鬼族の頭目酒呑童子がこよなく愛した『鬼伝説の故郷』の地酒をご賞味下さい…」の文言と並んで、酒米生産者16個人・団体の名前がずらりと印字されています。「こんなラベルは、あまり見たことがない」と酒造会社の話。酒米づくりに賭けた人たちの熱意が伝わってくるようです。

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大江塾マネージャーの大槻博路さん
 「大江で地酒を造る会」が発足したのは96年。画家で大江塾マネジャーの大槻博路さん(50)=大江町二箇下=を会長に、町保健福祉課の林田教宗さん(37)=同町二俣=らが参加。棚田保全に取り組み、棚田農業体験ツアーの実行委員を務めた町上下水道課長・櫻井一好さん(48)=同町毛原=らも棚田の一部で酒米「五百万石」をつくり、全体で1ヘクタールを超す面積に。栽培契約を結んでいる宮津市由良のハクレイ酒造で醸造。原酒(混ぜものなし)純米吟醸(すべて酒米)生酒(熱加工せず)を1.8リットルと720ミリリットル瓶それぞれ約1,000本つくり上げました。

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「大鬼」のラベルは会員たちが手刷りで
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地酒の出来ばえを語る櫻井一好さん(左)と林田教宗さん
 年末年始向けに町内12の酒販店が売り出したところ、年末の1週間で1,000本さばけたといいます。日本酒離れのところへ、ディスカウントショップの攻勢で四苦八苦していたのが、地元の顔「大鬼」登場で売りやすくなった、と喜んでいるとか。東京に本部を置く日本名門酒会にも出品されているそうです。

 自分たちが手掛けた米でつくった酒を飲んでみたい、というのが出発点でしたが、酒づくりで関われるところはすべて自分たちの手で、とラベルの「大鬼」は木版の手刷り。贈答用のパッケージも、大槻さんの茅葺き農家をイメージしたふるさとの風景画をあしらって、シックな装いになっています。

 「地酒づくりは、田植えから蔵出しまで息長く関われて、そのつど、街の有りようなど、わいわい意見を出し合えるので楽しいですね。大江塾では、これまで『ハッピーパートナー』を募集して、未婚青年の見合いの機会を設けたり、『大江太鼓』同好会の結成、大東(大阪)川西(兵庫)への野菜の産直など、さまざまな働きかけをしてきました。『大鬼』が出来て共感の輪が広がりました」と、大槻さんは話しています。

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