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[ No.9]
【共生への一歩】
ネットビレッジの提案――あぜ道の出会いをネットで

古長 勝人
ITコンサルタント(京都塾アドバイザー)
インターネットの利用者がわが国でもこの夏には2000万人を超えて、ネット上でのコミュニケーションと商取引が定着し拡大している。
ネット時代の「共生」の一つの形として「ネットビレッジ」について考えてみる。
7年前の阪神大震災時に神戸市の復興のためにインターネットを利用して支援活動をした人々を「神戸ネチズン」と呼んだ、これは実際に神戸市には住んではいないがネット上の神戸市民という意味である。
今都会の人に田舎住まい、農業体験、レジャーや宿泊体験、歴史探訪したい、などで農村に興味を持つ人が増えている。
また農村側からも活性化や特産品の紹介のために域外との接点やきっかけをつくる方法を探そうとしている。
町や村に興味を持つ人たち(個人)をネット上の村人と受けとめて交流する「ネットビレッジ」をつくり出会いの場と両者のやわらかい交流の場が創れないものだろうか。
現在の「共生」の活動は、たとえば環境問題その他テーマごとに村や諸団体とのフォーマルな交流であり成果も見えるが、ここでいうネットビレッジは団体間でなく個人との交流を主とする「やわらかい共生」とでも呼ぶ共生の一形態である。
農村や農業に興味があるがきっかけがつかめない都市に住む個人と、村の風土や人と産物を知ってもらいたい村が、インターネット上にホームページを発信してその上で交流する共生の場がつくれれば、その後の活動の発展につながっていくだろう。
例えばインターネットを通じて、村の歴史を知りたい、こんな達人に会いたい、体験宿泊したい、朝市はないか、天然鮎が欲しい、歴史上の遺構や石仏、空き農家はないか、等々の問い合わせが全国から始まるだろう。村側では有志がそれに丁寧に電子メールで対話していくことになるが、これにより当地の風土、産物に興味を持つフアンが広がる。(この中には現地では気づかなかった村の特徴や分野に気づかされることもあろう)
ちょうど村のあぜ道で出会って挨拶をするように、インターネットでまず出会って挨拶を交わす、それからそれぞれのコミュニケーションが始まると考えればわかりやすい。
この交流は、直ちに人の移動や物品直販の効果を早急に期待してはいけない。現在共生で努力されている人達にとっては、個人の流動的な相手との「おしゃべり広場」で、共生以前と言われるかもしれない。しかし思わぬ地域から思わぬ興味や質問等の反応が得られれば、「おらが村」を再認識することが出来てさらに良くする励みになる効果がある。ただこの共生は、企画する村が成果をどう考えるかの検討が重要なポイントになり、かつ息の長い活動が必要になるだろう。
■プロフィール
1937年生まれ。ITコンサルタント。インターネットなどの情報技術を通じて、地方都市の中小企業、商店街、ベンチャー団体などの活性化を支援。中小企業事業団情報化推進アドバイザー。
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