[ No.9]
【平成の火種組】

地元がもうかる仕組みをつくる
竹炭・竹酢の効用を磨き、商品化

舞鶴市・ふるさと大浦21(1)

 イベントは苦労のわりには地元への波及効果は少ない。むらづくりの本筋は、小遣い銭でもいいから地元の人が儲かる仕組みを創り、大浦の将来を考えていく人を育てること――「ふるさと大浦21」(岸英一塾長ほか36人)は、3年間の活動を通じて、竹炭・竹酢などの新しい商品開発や地域の人に誇りを育てる「大浦マップづくり」などに取り組み、こうした理念を“カタチ”にしている。


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大浦の入口、引揚記念館前には、塾が作成
した案内看板が立つ(右が岸英一塾長) 

関心の的は人を増やすこと

 舞鶴市北部の半島部にある大浦地区は、海岸部の漁村と山村部の農村が同居し、平成15年からの運転をめざして工事が進む関西電力火力発電所を抱える西大浦地区と昔からの環境を残す東大浦地区からなる。それだけに、集落(22集落)の結束は強いが、大浦全体のまとまりとなると難しい地域だ。
 この大浦地区で、平成8年12月、市長の呼びかけで、過疎に歯止めをかけ、集落・地域が力を合わせて大浦全域の活性化をめざそうと設立されたのが「ふるさと大浦21」だ。

竹炭・竹酢で地域の資源と技を活かす

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運営委員会では『大浦イラストマップ』の検討が進む(8月 大浦公民館にて)
 塾が最初に取り組んだのは竹炭の開発と販路開拓。特産品開発部会代表の永田武さんが、たまたま読んだ雑誌記事がきっかけとなり、「荒れるに任せて放置されている竹藪を何とか生かせないか」と竹炭の開発を思いついた。
 先進地の福井県小浜市などに見学に行ったが、製炭技術には経験が必要なことから、製造方法は独自に開発するしかなかった。同地区で炭焼きの経験を持つ古老のアドバイスも得ながら試行錯誤を繰り返した。最初は、ほとんどが灰になる失敗もあった。3年間で17回の窯入れをやり、今では、一トンの生竹から金属音を持つ竹炭を150キロとるまでに。

 この製品化の過程には、地元の「日本板硝子」で窯業技術を担当してきた永田さんらが、毎回窯の温度や焼成時間、製品の質についてデーターを取り分析してきた地道で科学的な取り組みがある。また、70時間に及ぶ炭焼きを支えてきた部会員の努力がある。
 竹炭と副産物である竹酢の効用や用途についても、全国の研究者や実践家との交流を通じて情報を蓄積している。京大の研究者との交流や「全国竹資源活用フォーラム」への加入もその一つ。一昨年11月には、フォーラムが主催する全国交流集会(鹿児島市)に3人の部会員が参加した。竹炭や竹酢の包装紙には、こうした情報収集と学習の成果が書き込まれている。

市内の販売所は5カ所に

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地元小学生に竹炭の窯出しを体験教育
 販路も徐々に広がっている。現在、引揚記念館、JA大浦支店など市内の5カ所で販売されており、新聞などで紹介されたこともあり需要は着実に広がっている。永田さんは、「竹炭・竹酢の良さをもっと広げ、採算ベースにもっていき、できるだけ早く生産者にバトンタッチしたい」という。
 竹炭の生産を通じて思わぬ反響も生まれている。地元大浦小学校が取り組む学外体験授業の依頼だ。昨年11月には、5年生42人が窯出しの体験をしたほか、5人の塾員が、授業(「郷土を開く」)の講師を引き受けた。

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