農業をめざす人への、先輩からのアドバイス

 京都の農村に就農した先輩達から、これから就農をめざす人たちにアドバイスをいただきました。
「「担い手養成実践農場修了者の調査結果とりまとめ(平成29年12月)」から
Ⅰ 研修前に(準備すること、心構え)
Ⅱ 研修中は
Ⅲ 就農直前に
Ⅳ 就農後は
V 全体にわたり

Ⅰ 研修前に(準備すること、心構え)

  • 親の介護か子どもの教育資金の問題有り、出来るだけ早くの就農をお勧めします。
  • パートナーの協力は必要、就農する折にパートナーを決めておくべき。
  • 実践農場では指導者との距離感が大切。始まるまでにしっかりと話し合いを市、 自分の意見を伝える事が重要。
  • 地域の選択、JA関係者の意識の薄さ、 本来農業の第一歩はJAとのパートナーシップからがひいては地域の活性に繋がる。 新規就農としてJAとの付き合い方が農業意識向上のカギ。
  • 農業が上手で省力化、コスト削減に取り組んでいる農家のところに研修に行く事、 その農家が金持ちならさらによい。
  • 農業は農家出身者以外はやらない方がいい。
  • 転職の場合、仕事をしながら中長期の体験をしてからの方が良いと思う。 退職して急にやり始めると合わなかった場合後が大変。
  • 農業も起業であると自覚し技術指導者等がいなくても、 いきなり自分で始められるだけの技術や知識を身に付けてからスタートすること。 周りの実践農場研修生や青年給付金を受給している認定就農者を見ていて、 あまりに準備不足が過ぎる人が多い。青年給付金受給が終わった後、 離農する人がかなり多くでるように思われる。
  • 主体性があり、知識・技術習得・人脈形成等にどん欲な人以外起業してもやっていけない。
  • 人との繋がりが大事になるので積極的に人に会ったり話を聞きに行くことが大事だと思います。
  • 段取りよく作業する、すぐに相談出来る相手を見つけておく。
  • 農家が経営として成り立っている所、人に教わる。
  • 事業計画を立てた上で挑戦したら良いと思う。
  • 家を探す、土地を探すことはかなり難しいので、情報は早めに集める。 自己資金は多ければ多いほどよい。機械は就農開始前に必要なものは見積もっておき全て揃えておく。 でないと後で困る。特に大型機械。分からないことは周りの農家に聞けるようにする。
  • 失敗はありません。新規就農者へ、起業するという心構え、 人付き合いが苦手で脱サラ就農するのは致命傷、田舎でのんびり…致命傷、 就農するためにしっかりとした将来を捉えた計画と預貯金、 “やる気”だけではダメ!安易に就農する事はあまり考えない方が良い。

Ⅱ 研修中は

  • 人の意見は変わるものである。就農時の説明と就農後の実際と違う事がある。 重要な話は地元の人と二人だけで決めず、市か府の職員さんにも入って貰って証人になって貰う必要がある。
  • 研修中の生活費をどうするか、研修先としっかり話しておく(書面残せると良し) (細かくルールを決め、府または市(第三者)にはいって貰うと良し)。
  • 受入農家(実践農場の講師)にさんざん悩まされた。受入農家をよく見極める事。
  • 短期の体験では見えない事が多く人間関係で失敗した。 その経験を活かして今は上手く事が運んでいる。
  • 指導してくれる農家も教えるプロではないので、こちらが「何を分かつていないか」を分かつていないので、 最初の年は何か事が起こってからの相談になるので苦労した。 いろんな人が親切に教えてくれるのですがみんな「自分流」なのでやり方が違う。 最終的に自己責任で判断し経験を積んでいくしかないと,思った。
  • 現代はインターネットが普及して栽培の情報が簡単に分かるけど実際に栽培を始めると分からないことが多々あり、 やはり頼れるのは地元の先輩のアドバイスが一番です。 人付き合い、関係機関とも上手く付き合っていくことが大切だと思いました。
  • 指導者の勧めもあり、研修対象外の作物も技術習得のために多く栽培したがメイン の作物の空いた時間に片手間で栽培するだけなので全く身にならず時間、労力、経費が無駄になった。 研修対象の作物のみ、さらにその中でも数種類をじっくり栽培、 また関連する書籍やネット情報を参照する等した方が良い。
  • 年配の人は固定観念の強い人が多く、合理的な考えが常に受け入れられる訳ではないので、 ある程度柔軟に対応する方が良いと思った。 (例:○時に起きる、いつまでにネットを片付ける、庭の木の種類など)
  • 研修中から就農に向けて具体的に行動すること、例えば資料を少しずつ購入する。
  • 農業者の集まりなどに参加したり地域の手伝い等に参加させて貰う。

Ⅲ 就農直前に

  • 最初に出来るだけ条件の良い農地、住宅を確保出来ないと必要以上の労力、 資金を費やす結果となります。 地元に通じ新規就農者を単なる労働力と見なさずちゃんと生活の事も考えてくれる協力者が必要です。
  • 農地選びは慎重に。
  • 就農した地区に馴染む事。味方になって貰える人を増やす事。 特に田舎は人間関係が重要なのでそこに真撃に向き合う事。
  • 作目を何でもかんでも増やすのは得策ではないと思う。 補助が出る制度だからといって自分のキャパを考えずに飛びつくと 制度の条件を満たすための作業に手聞を取られメインとなる作物のほんとに 必要な作業が出来なくなる可能性もあるのでよく考えなければいけない。 自分はどういう販売形態を取りたいかも考えておいた方がよい。 農閑期をどう過ごしていくかを考えておかないと農繁期に不測の事態になった場合、 資金繰りが非常に困難になってくる。
  • 野菜を作るなら水が一年間いつでも使えるところを探す。
  • 農地はー箇所に集め営農して食べていける分の広さが集められるところに行く。

Ⅳ 就農後は

  • 畑近くの小屋にトラクターを置いて盗まれた。それ以降トラクターは家に置く事とした。 直売したいので都市に近いところで、就農すれば良かったと思っている。 畑は広くなくて良かった。
  • 思いがけない自然災害や都会からの移住で、 慣れない田舎のノレールでの近隣住民とのトラブル等想定外な事が次々に起こるので、 それにも負けない忍耐力と体力に自信を付けてください。
  • 地域に馴染むという点であまりうまくいかなかったかも知れない。 しかし自分の行いたい農業経営を実行していく上で人間関係の車L蝶は大なり小なり生じてくる。 出来る事と出来ない事をハッキリと分けて付き合いを進めていくべきだと思う。
  • 今でも失敗の連続ですが成長の糧と思って日々頑張っています。 自然相手なので予想外の出来事も多く、季節によって失敗の内容や原因も異なります。 年に一回か数年に一回しか経験しない失敗も多く、 経験として活かす事がつくづく大切だと感じています。 先輩農家も同じ失敗を過去にしておられる事が多く、 それぞれ工夫されていますので採用するかは別にしてアドバイスを求めると大変参考になります。
  • 色々な話を聞くと思いますが話だけでなく、実際にその場に行って作業体験をする事をお勧めします。
  • 夢を追うのを優先するより、現実を考えて柔軟な考えを持つ事が必要。 採算が合わなければ農業ではなく趣味。
  • 実際に作ってみる事が大切。講習会に行っても作つでなければ役立つ事は少ない。

V 全体にわたり

  • ほとんどの地域で獣害が年々酷くなっています。 農業は立地の制約を最も受けるピジネスです。よく考えて就農してください。 個人の力ではどうする事も出来ません。
  • 最初から有機、無(低)農薬にとらわれない方がベターかと。
  • 実践農場研修期間も含めると当地へ来て10年目を迎えました。 その問、小さな失敗は多々あったものの特に大きな失敗も少なく農業を続けてこれたのは 地域の方々を始め関係機関の方々にサポートして頂いたお陰と思います。 地域と関わり人との繋がりも大切にしながら新規就農者の方には 農業以外の場面でも活躍して頂きたいです。
  • 短期間での目標と長期目標の設定が大事だと思います。
  • 無理をせず身の丈で、いい子になるな。
  • 失敗談は色々ありますが、人それぞれなので参考にはならないと思います。 やり方は人によって違うので色々やってみて自分に合うやり方を見つける事です。
  • 先輩農家のアドバイス等を良く聞く。失敗を恐れず思った事をやってみる。 休日を必ず取る。
  • 失敗する事が多く心が折れそうな時も多かったです。 害虫や自然など思うようにいかなかった事。
  • 苦労8割、楽しさ2割ですが、苦労が多いほど楽しさがより楽しくなるので、 お金だけではなく作った野菜が美味しいといって貰った時の喜びも最高に良い事です。
  • 農業以外の家、圃場、機械などの話を必ずする。
  • 一度、自身の理想は置いておいて、まずはしっかりと生産することに向き合ってください。 「こだわりj にこだわると道を見失いがちです。 私は当初有機栽培一本で、行こうと思っていましたが、現状は有機は2割程度です。 しっかりと生産力を身に付け徐々に理想へと近づいていこうと思っています。 農業は他の産業と違い、生産が大変に難しい。 マーケットインがなかなか出来ない性質があると思っています。 ですので、まずは身近な販路で生産を学んでください。 販路は自然と増えていきます。(私もそうでした。)
  • 全て自分で問題を解決しようとするのではなく、 地域の方の指導を仰ぎながら取り組むことが大事だと思います。
  • 賛沢を言えば、都市部に近く目の届く売り先があると良い。
  • 地域の活動が活発な所で就農した方が、 売り先が見つけやすく地元の人との協力もやりがいがあると思う。